2020年2月の全国企業倒産651件

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2020.03.10

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2020年2月の全国企業倒産651件

倒産件数が651件 6カ月連続で増加、「新型コロナウイルス」関連倒産が1件発生(東京商工リサーチ)

 2020年2月度の全国企業倒産(負債額1,000万円以上)は、件数が651件(前年同月比10.7%増)、負債総額が712億8,300万円(同63.4%減)だった。
 件数は、2019年9月から6カ月連続で前年同月を上回った。また、増加率も前年同月比10.7%増と、2019年12月から3カ月連続で10%超の増加率が続いている。2月としては2016年以来、4年ぶりに前年同月を上回った。ただ、バブル崩壊の1991年以降の30年間では、2018年(617件)に次いで3番目に低い水準にとどまった。
 負債総額は、2カ月連続で前年同月を下回った。負債5億円以上10億円未満が26件(前年同月21件)、同10億円以上50億円未満14件(同11件)と増加。同100億円以上はゼロ(前年同月2件)だった。負債が大幅に減少したのは、前年同月にブラウン管製造のMT映像ディスプレイ(株)(大阪・負債1,033億2,600万円、特別清算)の反動減。同1億円未満が495件(同436件)と全体の76.0%を占め、2月としては30年間で最少を記録した。

  • 「人手不足」関連倒産40件(前年同月24件)。うち、「後継者難」が31件(同17件)
  • 形態別件数:破産が567件、構成比は87.0%
  • 都道府県別件数:前年同月を上回ったのが26都府県、減少15府県、同数6道県
  • 負債別件数:負債1億円未満の構成比が76.0%。100億円以上の大型倒産は4カ月ぶりに発生なし
  • 業種別件数:飲食料品製造業が前年同月比285.7%増(7→27件)、プラスチック製品製造業が同133.3%増(3→7件)、機械器具卸売業(14→22件)と汎・生産・業務用機械器具製造業(7→11件)が同57.1%増、建築材料,鉱物・金属材料等卸売業が同42.8%増(7→10件)などで増加
  • 従業員数別件数:10人未満の構成比88.0%。300人以上は8カ月連続で発生なし
  • 中小企業倒産件数(中小企業基本法に基づく)は651件。構成比100.0%

産業別 最多はサービス業他、10産業のうち8産業で前年同月を上回る

 2020年2月の産業別件数は、10産業のうち、8産業で前年同月を上回った。
 農・林・漁・鉱業6件(前年同月比100.0%増)が6カ月連続、建設業118件(同11.3%増)と卸売業95件(同28.3%増)が4カ月連続、製造業86件(同30.3%増)が3カ月連続、サービス業他200件(同0.5%増)が2カ月連続、金融・保険業1件(前年同月ゼロ)が7カ月ぶりに、それぞれ前年同月を上回った。
 燃料費の高止まりや人手不足などが顕在化している運輸業は23件(同35.2%増)で、2カ月連続で増加した。
 2019年10月の消費税率引き上げ後の影響などが懸念されている小売業は85件(同16.4%増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。
 一方、情報通信業20件(同31.0%減)が2カ月連続、不動産業17件(同19.0%減)が2カ月ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。

地区別 9地区のうち6地区で前年同月を上回る

 2020年2月の地区別件数は、9地区のうち、北海道、東北、中部を除く、6地区で前年同月を上回った。
 近畿169件(前年同月比11.1%)が8カ月連続で前年同月を上回った。中国37件(同60.8%増)、四国17件(同41.6%増)がそれぞれ6カ月連続、九州50件(同25.0%増)が4カ月連続、関東247件(同10.7%増)、北陸20件(同33.3%増)がそれぞれ3カ月連続で増加した。一方、東北26件(同27.7%減)が3カ月ぶり、中部69件(同2.8%減)が2カ月ぶりに前年同月を下回った。北海道は前年同月と同件数の16件だった。