会社破産
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2026.09.25
会社破産
テーマ:
会社破産
「会社が破産したら、社長個人も借金を背負うのか」「破産する費用すら払えないのではないか」という不安を抱える経営者は少なくありません。
結論からお伝えすると、法人破産は会社の借金をゼロにして再スタートするための法的手続きです。会社と社長個人は別のため原則は無関係ですが、融資で連帯保証をしていれば社長個人の破産もセットになります。
本記事では、法人破産の基本・費用相場・手続きの流れ・やってはいけない行動・他の選択肢との比較まで、初めて調べる決裁者向けに順を追って解説します。
「うちの会社は破産すべき?」と悩む経営者の方へ。まずは全体像をつかんでから判断しましょう。
結論:法人破産は「借金をゼロにして再スタートする法的手続き」だが、連帯保証があれば社長個人の破産もセットになる
法人破産の全体像を、最短で判断できるよう論点別に整理します。
まず押さえるべきは「連帯保証の有無」と「資金の残り具合」の2点です。
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論点 |
結論 |
決裁者の判断ポイント |
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社長の借金 |
原則は無関係。連帯保証があれば個人破産も必要 |
融資契約書で連帯保証の有無を確認 |
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費用 |
予納金+弁護士費用で最低数十万〜数百万円 |
資金が尽きる前に相談する |
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期間 |
相談から完了まで半年〜1年半程度 |
事業撤退の見通しを立てる |
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NG行動 |
偏頗弁済・財産隠しは厳禁 |
良かれと思った行動が違法になる |
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他の選択肢 |
民事再生・廃業・保証GLも比較検討 |
会社を残すか消すかで分岐 |
法人整理の大半は破産で占められます。2025年度の企業倒産に占める破産の構成比は、年度ベースで90.5%と過去30年間で最高でした(出典:東京商工リサーチ「2025年度全国企業倒産状況」)。以下、各論点を深掘りします。
法人の破産とは:法人格の消滅と「支払不能・債務超過」
法人の破産とは、裁判所の関与のもとで会社の財産を換価・分配し、法人格そのものを消滅させる手続きです。
手続き完了で会社は法律上「存在しない」状態になり、残った借金も会社としては消えます。
まず、つまずきやすい基礎用語を整理します。
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用語 |
かみ砕いた意味 |
ポイント |
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法人格 |
会社が持つ「法律上の人格」 |
消滅すると会社は消える |
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支払不能 |
借金を継続的に払えない状態 |
破産開始の原因になる |
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債務超過 |
負債が資産を上回る状態 |
法人特有の開始原因 |
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連帯保証 |
会社の借金を個人が肩代わりする契約 |
社長個人の破産を招く |
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破産管財人 |
財産を管理・処分する弁護士 |
裁判所が選任する |
破産手続きは「支払不能」または「債務超過」があると開始できます(参考:e-Gov法令検索「破産法」)。
会社と社長は別人格が原則ですが、中小企業では代表者が連帯保証をしているケースが大半のため、実務では個人破産もセットになりやすい点に注意が必要です。
2025年度の倒産件数のうち、資本金「個人+1000万円未満」が構成比72.7%を占めており、破産の主体は小規模法人であることが数値からも読み取れます(出典:帝国データバンク「倒産集計2025年度報」)。
法人破産の費用相場:予納金・弁護士費用・実費の内訳と「資金が尽きる前」の重要性
費用は「裁判所へ納める予納金」「弁護士費用」「実費」の3つに分かれます。
相場に幅が出るのは、負債規模や財産の複雑さで管財業務の量が変わるためです。
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費用項目 |
目安金額 |
内容 |
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申立手数料 |
数千円〜 |
収入印紙で納付 |
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予納金(少額管財) |
20万円程度〜 |
管財人の報酬等 |
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予納金(一般管財) |
数十万〜数百万円 |
財産が多い・複雑な場合 |
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官報公告費 |
約1万5千円前後 |
手続きの公告費用 |
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弁護士費用 |
数十万円〜 |
着手金・報酬 |
管財事件の裁判所手続費用は、東京地方裁判所が公式に一覧を公表しています(出典:裁判所「東京地方裁判所民事第20部 破産事件の手続費用一覧」)。
最も重要なのは「資金を使い切る前に相談する」ことです。
破産にも費用がかかるため、資金がゼロになると手続き自体ができなくなります。
売掛金回収などで捻出する例も多く、営業を1か月ほど続けられる体力が残る段階での早期相談が現実的です。
「破産する費用すらない」という事態を避けるためにも、資金が残っているうちの相談がカギになります。
法人破産の手続きの流れと期間:申立て前・後のステップと関係者への影響
手続きは「申立て前の準備」「申立て」「管財」「終了」の5つのに進みます。財産の換価しやすさで期間が変わります。
STEP1.相談・受任
弁護士へ依頼し、受任通知を発送します(期間の目安:数日〜数週間)。
STEP2.申立て準備
書類作成・財産整理を進めます(期間の目安:1〜2か月)。
STEP3.申立て・開始決定
裁判所が管財人を選任します(期間の目安:申立て後数週間)。
STEP4..管財・換価
財産の処分・配当を行います(期間の目安:数か月〜1年程度)。
STEP5.手続き終了
廃止・終結で法人格が消滅します(全体で半年〜1年半)。
関係者への影響は、事前に把握して段取りを組むことが欠かせません。
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関係者 |
影響 |
救済・対応 |
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従業員 |
全員解雇となる |
未払賃金立替払制度で一定額を救済 |
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取引先 |
売掛金回収難・連鎖倒産の恐れ |
受任通知は全債権者へ一律送付 |
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社長個人 |
連帯保証があれば個人破産も |
自由財産は手元に残せる |
未払賃金のうち開始前3か月分は「財団債権」として最優先で扱われます(参考:独立行政法人 労働者健康安全機構「未払賃金立替払制度」)。
取引先へは特定先だけ先に連絡する抜け駆けは禁物で、申立日は手形決済日を避けて慎重に設計します。
法人破産前にやってはいけない避けるべき行動:偏頗弁済・財産隠しのリスク
「お世話になった取引先にだけ払いたい」「家族に財産を残したい」という善意の行動が、かえって違法になるケースがあります。
ここは決裁者が誤判断しやすい領域です。
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NG行動 |
何が問題か |
リスク |
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偏頗弁済 |
特定債権者だけに返済する |
管財人の否認権で相手が返金を迫られる |
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財産隠匿 |
名義変更で財産を隠す |
免責不許可事由の筆頭 |
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悪質な隠匿 |
意図的に財産を移す |
詐欺破産罪に問われる |
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公租公課の放置 |
税金・社会保険料の滞納 |
口座・売掛金の差押えで資金繰り悪化 |
債権者は公平に扱う必要があります。財産隠しや偏頗弁済を行うと、代表者個人も自己破産する場合には、免責が認められない可能性があり、借金が残るおそれがあります。
公租公課の滞納が要因となった倒産のうち97.3%が破産だったというデータもあり、放置は禁物です(出典:帝国データバンク「倒産集計2025年度報」)。
判断に迷う場合は、実行前に必ず弁護士へ確認してください。
法人破産以外の選択肢との比較:民事再生・廃業・経営者保証ガイドライン
破産だけが選択肢ではありません。「会社を残すか、消すか」で方向性が分かれます。
構造で理解しておくと、納得して意思決定できます。
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選択肢 |
会社の存続 |
特徴 |
向くケース |
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破産 |
消滅 |
借金ゼロで再スタート、手続きが明快 |
返済不能で解放されたい |
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民事再生 |
存続 |
経営権を維持し債務を減免、数年返済 |
事業に将来性があり残したい |
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休廃業・解散 |
消滅 |
借金を完済できる状態で自主的にたたむ |
資産超過で余力がある |
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経営者保証GL |
- |
個人資産を一定残しつつ保証債務を整理 |
連帯保証を抱える経営者 |
「経営者保証に関するガイドライン」は、破産よりも多くの財産を手元に残せる可能性がある自主的なルールです(出典:一般社団法人 全国銀行協会)。
ガイドラインの適用には、主債務者が中小企業であること、保証人が弁済に誠実で財産状況を適切に開示することなど、4つの要件を満たす必要があります(出典:政府広報オンライン)。
資産超過や黒字のまま廃業する企業 も一定数存在するため、廃業や破産を決める前に この制度が使えるか専門家と検討する価値があります。
「会社をたたむ=破産」とは限りません。連帯保証がある社長ほど、経営者保証GLの検討価値は高いといえます。
まとめ:連帯保証と資金状況の確認から始め、早期に専門家へ相談する
法人破産は借金をゼロにして再スタートする手続きですが、連帯保証があれば社長個人の破産もセットになります。
まず確認すべき論点と、次に取るべき行動を整理します。
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確認すべき論点 |
次に取るべき行動 |
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連帯保証の有無 |
融資契約書を確認する |
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資金の残り具合 |
尽きる前に相談を予約する |
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NG行動の回避 |
偏頗弁済・財産隠しをしない |
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他の選択肢 |
民事再生・保証GLも検討する |
最も重要なのは「資金が尽きる前に、早めに専門家へ相談すること」です。
連帯保証と資金状況を確認したうえで、法人破産に精通した弁護士や経営革新等支援機関へ、まず一度ご相談ください。
※本記事は一般的な制度や手続きについて解説しています。実際の対応は個別の状況によって異なるため、必要に応じて弁護士などの専門家に相談しながらご検討ください。
監修者:株式会社FGグループ代表取締役 吉野兼司 NPO首都圏事業支援機構 理事 吉野兼司