405事業は「リスケしたい会社なら誰でも使える制度」ではなくなりました!
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2026.08.07
事業再生
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405事業は「リスケしたい会社なら誰でも使える制度」ではなくなりました!
#【2026年5月改正】405事業は「リスケしたい会社なら誰でも使える制度」ではなくなりました
いま、中小企業活性化協議会で大きな変化が起きてます。
> 経営改善計画策定支援事業(405事業)に、2026年5月1日から**数値基準**が導入されました。
> 「3年で黒字化・5年で債務超過解消・有利子負債10年以内」を満たせない計画は、**補助の対象外**です=リスケジュールできない可能性が出てきます。
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## この改正は、いま順調な会社にも関係があります
「経営改善計画」と聞くと、返済に行き詰まった会社の話だと思われるかもしれません。今回の改正は、そこが逆転しました。
結論から言えば、こういう構造になりました。
> **早い段階で動く会社ほど手厚く支援され、追い込まれてから動く会社ほど支援されない。**
これまでは「苦しくなってから経営改善計画を作る」で間に合いました。5月1日以降、その順番では間に合わないケースが出てきます。逆に、まだ返済に問題がない段階で動く会社への補助は**大幅に拡充**されました(後述しますが、上限が80万円に引き上げられています)。
そのため、この記事は次の2つの立場の方に向けて書いています。
**■ いまは正常返済だが、業績や資金繰りに不安の兆しがある会社**
→ 使えるのは早期経営改善計画策定支援(Vアップ事業)です。補助が手厚くなり、いちばん有利な立場にいます。ただし**一度でも下の段階に落ちると、条件が厳しくなります**。
**■ すでに返済条件の変更をしている、またはこれから必要になりそうな会社**
→ 405事業の対象ですが、ここに新しい関門ができました。いま金融機関に相談して「協議会次第ですね」と歯切れの悪い返事をされている方が増えています。銀行が逃げているのではなく、**制度がそういう作りに変わった**のです。
どちらの立場かによって打つ手が違います。5分で判別できるよう整理します。
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## 何が起きたのか:3月26日の改定発表
2026年3月26日、中小企業庁は「中小企業活性化協議会実施基本要領」等の改定を公表しました。
背景にあるのは、同年3月に取りまとめられた「中小企業における事業再生支援のあり方検討会」報告書です。そこで指摘されたのは、痛烈な現実でした。
– 着手の遅れにより、事業も財務も大きく毀損してから持ち込まれる案件の増加
– **出口を見据えないリスケの常態化**
– 支援機関のリソースの限界
つまり国は、「とりあえずリスケを延ばす」ための計画づくりを、これ以上支援しないと決めたということです。
改定は適用日が分かれています。ここが現場の混乱を生んでいます。
| 対象 | 適用日 | 主な変更 |
|—|—|—|
| 早期経営改善計画(Vアップ事業) | 2026/3/31 | 補助上限の引き上げ、実態BS追加 |
| 再生支援実施要領 | 2026/3/31 | 伴走支援の強化、プレ再生支援の出口明確化 |
| **405事業(通常枠)** | **2026/5/1** | **数値基準の導入、対象金融支援の見直し** |
| 収益力改善支援 | 2026/10/1 | **金融支援ありの類型を廃止** |
10月1日の変更がまだ効いていないため、いまは過渡期です。**10月以降、入口はさらに狭くなります。**
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## 核心:「3・5・10」という3つの関門
405事業(通常枠)で策定する経営改善計画は、これらすべてを満たす内容でなければなりません。
### ① 5年 — 実質債務超過の解消
実質的に債務超過である場合、計画成立後最初に到来する事業年度開始日から**5年以内**を目処に解消する内容であること。
### ② 3年 — 経常黒字への転換
経常利益が赤字である場合、同じく**概ね3年以内**を目処に黒字転換する内容であること。
### ③ 10倍 — 有利子負債対キャッシュフロー比率
計画終了年度(原則として債務超過を解消する年度)において、有利子負債の対キャッシュフロー比率が**概ね10倍以下**であること。
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## ③がいちばん誤解されています
「利益+減価償却で借金を割るんでしょう」——多くの方がそう理解していますが、**それでは通りません**。
制度が採用しているのは、2003年の経済産業省告示に定められた計算方法です。
“`
有利子負債 − 運転資金
──────────────────────────── ≦ 概ね10倍
留保利益 + 減価償却費 + 引当金
“`
ポイントは分母の「留保利益」です。これは経常利益そのものではなく、
**留保利益 = 経常利益 − 法人税等 − 社外流出(配当・役員賞与)**
つまり**税引後**の数字。実効税率35%なら、経常利益の約65%しか分母に乗りません。ここを税引前で計算していると、実際より2〜3割よく見えてしまいます。
さらに注意点が3つ。
– **現預金は分子から引けません**(控除できるのは運転資金=売掛債権+棚卸資産−仕入債務のみ)
– **賞与引当金・退職給付引当金は分母に加算できません**
– **判定は「計画終了年度」の1時点**。途中年度が10倍超でも構いませんが、ゴール年度で3つが同時に成立している必要があります
### 3分でできる自己診断
これは405事業を使う会社だけの話ではありません。**この10倍という水準は、金融機関が財務の健全性を測る共通のものさし**です。いま正常返済の会社にとっては「将来この制度を使うことになったとき、通る側にいるか」の予行演習になります。
直近決算で、ざっと当ててみてください。
| | 御社の数字 |
|—|—|
| A 有利子負債(借入金+割引手形+社債) | 円 |
| B 運転資金(売掛債権+棚卸資産−仕入債務) | 円 |
| C 経常利益 × 0.65 | 円 |
| D 減価償却費 | 円 |
| **判定:(A−B) ÷ (C+D)** | ** 倍** |
結果の読み方は、いまの状況によって変わります。
**■ 正常返済中の会社**
10倍以内なら、当面の懸念は小さいと言えます。10倍を超えている場合、**いまはまだ返済できていても、財務体質としては黄色信号**です。この段階ならVアップ事業(補助上限80万円)が使えます。動くなら今です。
**■ すでに条件変更をしている・これから必要な会社**
**10倍を超えていたら、いまの405事業では原則として通りません。** 例外ルートを前提に設計するか、上位のメニューへ切り替える判断が必要になります。
なお経常利益がゼロ近辺の会社は、分母が減価償却費だけになります。年商規模にもよりますが、この状態で10倍を切るのは相当に困難です。
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## 見落とされがちな「もうひとつの締め付け」
数値基準ばかりが話題になりますが、実務ではこちらで弾かれるケースも多く出ています。
**■ 1行取引でプロパー融資のみの会社は対象外**
信用保証協会付き借入がない1行取引の場合、金融機関調整が不要とみなされ、利用できません。
**■ 条件変更する債務が全債務の50%以上であること**
借換や新規融資を織り込む計画の場合、条件変更を受ける債務が全体の半分以上を占める必要があります。
**■ 過去に協議会の支援を受けた会社は原則使えない**
収益力改善支援(金融支援あり)、再生支援、再チャレンジ支援、405事業を過去に利用した会社(実施中を含む)は対象外です。**コロナ期に一度405を使った会社が、いま再び苦しくなっている**——今後もっとも増える類型がこれです。
**■ 計画が3年を超えるなら、メイン行の連名申請が必須**
後述の例外ルートを使って計画期間が3年を超える場合、4期目以降はメイン行による伴走支援が必須となり、メイン行は連名で申請する必要があります。「確認書面を1枚もらって申請」という従来の軽い入り方は、この場合できません。
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## 「例外ルート」はあります。ただし条件が重い
業種特性や固有の事情に合理的理由があれば、数値基準によらない計画も認められます。ただし、次の3つを**すべて**満たす必要があります。
1. 認定経営革新等支援機関**および主要金融機関**が、基準を超えることの合理的根拠を記載した書面を協議会に提出し、確認を受けること
2. 計画期間・伴走支援期間は数値基準を満たす事業年度まで必須とし、少なくとも年2回の伴走支援報告を行うこと
3. **計画の履行が困難になった場合の「出口の方向性」を計画に記載**し、主要金融機関および他の債権者の同意を得ること
3つ目が重要です。要するに「**うまくいかなかったときにどうするか**」——抜本再生計画の検討、事業承継の検討といったバックアッププランを、最初から書き込んで銀行の同意まで取れ、ということです。
そしてマニュアルには、こう明記されました。
> 協議会が申請者に代わり合理的説明を再構成する義務までは負わず、申請者側の説明を補完・創作する義務は負わない
**説明責任は完全に申請者側にあります。** 協議会は助けてくれません。
なお小規模企業者については別途の特例が用意されていますが、こちらも「経営者の生活の確保において有益であること」の説明と出口の明記が求められます。
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## なぜ銀行は「協議会次第」としか言わないのか
冒頭の話に戻ります。
これは銀行の責任逃れではありません。**例外ルートの判定権が協議会にある**からです。計画案は金融機関に提出する前に必ず協議会へ提出し、助言を受けて修正する建付けになっています。同じ計画でも、地域によって、担当者によって、通り方が変わりうる。
その不確実性を、銀行は正確に言語化しているだけです。
だからこそ実務では、**計画を作り始める前に、協議会と数値基準の当て方を握る**——これが唯一の正解になりました。作ってから持ち込むのでは、手戻りが大きすぎます。
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## では、405が使えない会社はどうなるのか
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
**「405が使えない」は「もう打つ手がない」ではありません。**
制度は、上位のメニューへ上げる設計になっています。実際、405のマニュアル自身が、金融機関の同意が困難な場合は改めて協議会に相談し再生支援等の活用を検討するよう促しています。
原因によって、行き先が変わります。
| 詰まった原因 | 現実的な行き先 |
|—|—|
| 数値基準に届かない | プレ再生・再生支援/中小版GL/第二会社方式 |
| 過去に協議会メニューを利用済み | 再生支援への相談/経営サポート会議/自費 |
| 1行取引・プロパーのみ | 銀行との直接交渉、財務改善の設計 |
| 条件変更が50%未満 | **設計変更で通せる可能性あり** |
| そもそも金融支援が不要 | **Vアップ事業へ(補助上限80万円に増額)** |
最後の2つは、そもそも「弾かれる必要がなかった」ケースです。設計次第で通ります。
そして触れておきたいのが、**Vアップ事業(早期経営改善計画策定支援)の補助上限が大幅に引き上げられた**こと。上限80万円(計画策定50万円+伴走支援30万円)に加え、事業承継先探索のための企業概要書作成費用10万円、経営者保証解除のための金融機関交渉費用10万円が加算できます。
国のメッセージは明確です。
> **早い段階なら手厚く支援する。追い込まれてからでは支援しない。**
まだリスケが必要ない今のうちに動ける会社が、いちばん得をする制度に変わりました。
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## 一方で、出口の整備も進んでいます
再生が難しい会社に向けた道も、同時に広がっています。
– **再チャレンジ支援** — 経営者保証に関するガイドラインに基づく保証債務の整理。会社を畳んでも、**社長個人の生活と自宅を守る**道があります
– **再生M&A** — ガイドライン整備やインセンティブ付与が検討課題に挙がっています
– **事業承継先探索** — Vアップの補助枠を使って企業概要書を作成できます
会社を残すことだけが答えではありません。**経営者ご自身の再スタートを、いちばん傷の浅い形で設計する**——それも私たちの仕事です。
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## いま、何をすべきか
### いま正常返済をしている経営者の方へ
**この記事でいちばん動く価値があるのは、実は御社です。**
理由は3つあります。
1. **Vアップ事業の補助上限が80万円に引き上げられた** — 条件変更を必要としない、通常の経営改善計画づくりに使えます
2. **一度でも405や再生支援を使うと、次が使えなくなる** — 制度の利用歴は消えません。手前のカードから切るのが定石です
3. **3年間の伴走支援がセットで付く** — 計画を作って終わりではなく、決算・中間決算ごとに専門家と数字を検証する体制ができます
まずは「3分診断」を当ててみて、10倍を超えているようなら一度ご相談ください。**まだ問題が起きていない段階の相談が、いちばん選択肢が多い**からです。
### すでに条件変更をしている、またはこれから必要な経営者の方へ
まずは3つ、確認してください。
1. **直近決算で、上記の「3分診断」を当ててみる**
2. **過去に協議会の支援(405・Vアップ含む)を使ったことがあるか、記録を確認する**
3. **メイン行に「うちは新しい数値基準で通りますか」と直接聞いてみる**
3つ目で明確な答えが返ってこなければ、それは危険信号ではなく**普通の反応**です。制度が変わったばかりで、支店の現場も判断がついていません。
### 顧問税理士・会計事務所の先生方へ
認定経営革新等支援機関として405事業に関与されている先生方には、実務上の変化が2点あります。
ひとつは、**数値基準を満たさない計画が「対象とならない計画」に明記された**こと。補助が下りないだけでなく、支払後に発覚した場合の返還リスクがあります。従来の「まず申請して計画は後から作り込む」進め方は危険度が上がりました。
もうひとつは、**説明責任の所在が明文化された**こと。協議会は説明を補完も創作もしません。DD着手前の数値当たりが、事実上の必須工程になっています。
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## FGグループができること
私たち認定経営革新等支援機関としての405事業の計画策定支援に加え、
**405で通らない案件の受け皿**を持っていることを強みとしています。
– 405事業(通常枠)の計画策定支援 — 数値基準の事前検証から協議会協議まで
– 数値基準に届かない案件の、プレ再生・再生支援/中小版GLへの橋渡し
– 債務超過が構造的に解けない案件の**第二会社方式**による設計(金融機関・信用保証協会への事前相談を含む)
– 経営者保証に関するガイドラインに基づく**保証債務整理**の支援
– Vアップ事業を使った、早期段階からの伴走
これまで、製造業・建設業・運送業・福祉事業・自動車販売など、複数の業種で計画策定と金融調整をご支援してきました。業種特性に応じた数値基準の当て込み——たとえば運送業なら車両の減価償却スケジュールと計画終了年度の重ね方、リースバックを使う場合のオンバランス/オフバランスの判断——といった、**この改正で新たに論点化した部分**にも対応しています。
### 無料相談を承っています
まずは直近3期分の決算書を拝見させていただきます。**数値基準に対して御社がどの位置にいるか、そして使えるメニューはどれか、その場でお伝えします**。
条件変更をしている会社も、まだ正常返済の会社も対象です。むしろ「**返済は問題なくできているが、念のため見ておきたい**」という段階のご相談を、いちばん歓迎します。制度が早期着手を優遇する設計に変わった以上、**相談が早いほど選べる選択肢が多く、補助も手厚い**からです。
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### 参考資料
– [経営改善計画策定支援事業(通常枠)マニュアル・FAQ Ver.9.1(令和8年5月1日改訂版)](https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/download/05/04_08.pdf)
– [「中小企業活性化協議会実施基本要領」等を改定します(中小企業庁)](https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/2026/260326kaitei_2.html)
– [「中小企業における事業再生支援のあり方検討会」報告書](https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/jigyousaiseishien/report/260324report02.pdf)
※本記事は2026年8月時点の公表資料に基づいて作成しています。制度の運用は各都道府県の中小企業活性化協議会によって判断が分かれる部分があります。個別案件の適用可否については、必ず所轄の協議会または当社までご確認ください。
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*株式会社FGグループ|認定経営革新等支援機関 NPO首都圏事業支援機構*