「会社が破産したら、社長個人も借金を背負うのか」「破産する費用すら払えないのではないか」という不安を抱える経営者は少なくありません。
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2026.09.09
事業再生
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「会社が破産したら、社長個人も借金を背負うのか」「破産する費用すら払えないのではないか」という不安を抱える経営者は少なくありません。
「会社が破産したら、社長個人も借金を背負うのか」「破産する費用すら払えないのではないか」という不安を抱える経営者は少なくありません。
結論からお伝えすると、法人破産は会社の借金をゼロにして再スタートするための法的手続きです。会社と社長個人は別のため原則は無関係ですが、融資で連帯保証をしていれば社長個人の破産もセットになります。
本記事では、法人破産の基本・費用相場・手続きの流れ・やってはいけない行動・他の選択肢との比較まで、初めて調べる決裁者向けに順を追って解説します。
「うちの会社は破産すべき?」と悩む経営者の方へ。まずは全体像をつかんでから判断しましょう。
結論:法人破産は「借金をゼロにして再スタートする法的手続き」だが、連帯保証があれば社長個人の破産もセットになる
法人破産の全体像を、最短で判断できるよう論点別に整理します。
まず押さえるべきは「連帯保証の有無」と「資金の残り具合」の2点です。
論点
結論
決裁者の判断ポイント
社長の借金
原則は無関係。連帯保証があれば個人破産も必要
融資契約書で連帯保証の有無を確認
費用
予納金+弁護士費用で最低数十万〜数百万円
資金が尽きる前に相談する
期間
相談から完了まで半年〜1年半程度
事業撤退の見通しを立てる
NG行動
偏頗弁済・財産隠しは厳禁
良かれと思った行動が違法になる
他の選択肢
民事再生・廃業・保証GLも比較検討
会社を残すか消すかで分岐
法人整理の大半は破産で占められます。2025年度の企業倒産に占める破産の構成比は、年度ベースで90.5%と過去30年間で最高でした(出典:東京商工リサーチ「2025年度全国企業倒産状況」)。以下、各論点を深掘りします。
法人破産とは:法人格の消滅と「支払不能・債務超過」という開始原因
法人破産とは、裁判所の関与のもとで会社の財産を換価・分配し、法人格そのものを消滅させる手続きです。
手続き完了で会社は法律上「存在しない」状態になり、残った借金も会社としては消えます。
まず、初心者がつまずきやすい基礎用語を整理します。
用語
かみ砕いた意味
ポイント
法人格
会社が持つ「法律上の人格」
消滅すると会社は消える
支払不能
借金を継続的に払えない状態
破産開始の原因になる
債務超過
負債が資産を上回る状態
法人特有の開始原因
連帯保証
会社の借金を個人が肩代わりする契約
社長個人の破産を招く
破産管財人
財産を管理・処分する弁護士
裁判所が選任する
破産手続きは「支払不能」または「債務超過」があると開始できます(参考:e-Gov法令検索「破産法」)。
会社と社長は別人格が原則ですが、中小企業では代表者が連帯保証をしているケースが大半のため、実務では個人破産もセットになりやすい点に注意が必要です。
2025年度の倒産件数のうち、資本金「個人+1000万円未満」が構成比72.7%を占めており、破産の主体は小規模法人であることが数値からも読み取れます(出典:帝国データバンク「倒産集計2025年度報」)。
法人破産の費用相場:予納金・弁護士費用・実費の内訳と「資金が尽きる前」の重要性
費用は「裁判所へ納める予納金」「弁護士費用」「実費」の3つに分かれます。
相場に幅が出るのは、負債規模や財産の複雑さで管財業務の量が変わるためです。
費用項目
目安金額
内容
申立手数料
数千円〜
収入印紙で納付
予納金(少額管財)
20万円程度〜
管財人の報酬等
予納金(一般管財)
数十万〜数百万円
財産が多い・複雑な場合
官報公告費
約1万5千円前後
手続きの公告費用
弁護士費用
数十万円〜
着手金・報酬
管財事件の裁判所手続費用は、東京地方裁判所が公式に一覧を公表しています(出典:裁判所「東京地方裁判所民事第20部 破産事件の手続費用一覧」)。
最も重要なのは「資金を使い切る前に相談する」ことです。
破産にも費用がかかるため、資金がゼロになると手続き自体ができなくなります。
売掛金回収などで捻出する例も多く、営業を1か月ほど続けられる体力が残る段階での早期相談が現実的です。
「破産する費用すらない」という事態を避けるためにも、資金が残っているうちの相談がカギになります。
法人破産の手続きの流れと期間:申立て前・後のステップと関係者への影響
手続きは「申立て前の準備」「申立て」「管財」「終了」の順に進みます。財産の換価しやすさで期間が変わります。
STEP相談・受任
弁護士へ依頼し、受任通知を発送します(期間の目安:数日〜数週間)。
STEP申立て準備
書類作成・財産整理を進めます(期間の目安:1〜2か月)。
STEP申立て・開始決定
裁判所が管財人を選任します(期間の目安:申立て後数週間)。
STEP管財・換価
財産の処分・配当を行います(期間の目安:数か月〜1年程度)。
STEP手続き終了
廃止・終結で法人格が消滅します(全体で半年〜1年半)。
関係者への影響は、事前に把握して段取りを組むことが欠かせません。
関係者
影響
救済・対応
従業員
全員解雇となる
未払賃金立替払制度で一定額を救済
取引先
売掛金回収難・連鎖倒産の恐れ
受任通知は全債権者へ一律送付
社長個人
連帯保証があれば個人破産も
自由財産は手元に残せる
未払賃金のうち開始前3か月分は「財団債権」として最優先で扱われます(参考:独立行政法人 労働者健康安全機構「未払賃金立替払制度」)。
取引先へは特定先だけ先に連絡する抜け駆けは禁物で、申立日は手形決済日を避けて慎重に設計します。
法人破産前にやってはいけないNG行動:偏頗弁済・財産隠しのリスク
「お世話になった取引先にだけ払いたい」「家族に財産を残したい」という善意の行動が、かえって違法になるケースがあります。
ここは決裁者が誤判断しやすい領域です。
NG行動
何が問題か
リスク
偏頗弁済
特定債権者だけに返済する
管財人の否認権で相手が返金を迫られる
財産隠匿
名義変更で財産を隠す
免責不許可事由の筆頭
悪質な隠匿
意図的に財産を移す
詐欺破産罪に問われる
公租公課の放置
税金・社会保険料の滞納
口座・売掛金の差押えで資金繰り悪化
債権者は公平・平等に扱う必要があります。財産隠しや偏頗弁済が発覚すると、法人代表者個人の免責も認められず借金が残るおそれがあります。
公租公課の滞納が要因となった倒産のうち97.3%が破産だったというデータもあり、放置は禁物です(出典:帝国データバンク「倒産集計2025年度報」)。
判断に迷う行動は、実行前に必ず弁護士へ確認してください。
法人破産以外の選択肢との比較:民事再生・廃業・経営者保証ガイドライン
破産だけが選択肢ではありません。「会社を残すか、消すか」で方向性が分かれます。
構造で理解しておくと、納得して意思決定できます。
選択肢
会社の存続
特徴
向くケース
破産
消滅
借金ゼロで再スタート、手続きが明快
返済不能で解放されたい
民事再生
存続
経営権を維持し債務を減免、数年返済
事業に将来性があり残したい
休廃業・解散
消滅
借金を完済できる状態で自主的にたたむ
資産超過で余力がある
経営者保証GL
-
個人資産を一定残しつつ保証債務を整理
連帯保証を抱える経営者
「経営者保証に関するガイドライン」は、破産よりも多くの財産を手元に残せる可能性がある自主的なルールです(出典:一般社団法人 全国銀行協会)。
適用には、主債務者が中小企業であること、保証人が弁済に誠実で財産状況を適切に開示することなど、4つの要件を満たす必要があります(出典:政府広報オンライン)。
資産超過や黒字のまま市場から退出する企業も相当数存在するため、破産前に、この制度が使えるか専門家と検討する価値があります。
「会社をたたむ=破産」とは限りません。連帯保証がある社長ほど、経営者保証GLの検討価値は高いといえます。
まとめ:連帯保証と資金の確認から始め、早期に専門家へ相談する
法人破産は借金をゼロにして再スタートする手続きですが、連帯保証があれば社長個人の破産もセットになります。
まず確認すべき論点と、次に取るべき行動を整理します。
確認すべき論点
次に取るべき行動
連帯保証の有無
融資契約書を確認する
資金の残り具合
尽きる前に相談を予約する
NG行動の回避
偏頗弁済・財産隠しをしない
他の選択肢
民事再生・保証GLも検討する
最も重要なのは「資金が尽きる前に、早めに専門家へ相談すること」です。
連帯保証と資金状況を確認したうえで、法人破産に精通した弁護士や経営革新等支援機関へ、まず一度ご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的として作成されたものです。個別のご相談は、弁護士などの専門家・専門機関にご相談ください。
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